きっかけは単純なもの。
たんなるアルバイトのつもりだった。
名古屋でアルバイトできるのは嬉しいことだけれど。
それが探偵事務所とは、思いもよらなかったのだ。
名古屋は良いけれど、探偵事務所って、、、
そのころ、資格をとるための勉強を頑張って、試験を受けたけれど、学科は通り、実技を落ちてしまったわたしは、就職する気分になれなかった。
受験して3週間ほどで結果が届き、すぐさま再試験の申し込みはしたけれど、、、
ちょうど、3ヶ月。友達と一緒に学校へ通う。
その間は、両親も快く協力してくれたのだが、さすがに試験に落っこちてしまうと、態度が冷たく急変した。
で、アルバイトを探すことにしたのだ。
1日中、いつ機嫌の悪くなるともしれない母親と顔を突き合わせるよりは、少しでも稼ぐくらいの方がマシだと判断したから。
まだ、再試験も控えているし、そこまで一生懸命に仕事はしたくない。
なんか、適度に楽そうなアルバイトはないか?
そんなときに目についたのが、受付と電話応対のアルバイト。
時給は900円。時間も応相談とある。
特に社名からインターネットを検索することもせず、ただの電話番だろうというつもりで面接を申し込んだのでした。
まさか。
こんなことになるとは思いもよらず。
今考えると、これは社長の罠だったのかもしらない、、、
わたしは名古屋から少し外れたところに住んでいる。
そのため、いつもバイト先は名古屋市内。
なぜかって?
そのままバイト終わりに飲みに行けたり、友達と待ち合わせするのに都合が良いから。
携帯の地図に表示された場所を調べながらたどり着いたさきは、綺麗なビルの2階。
ん?探偵事務所?
わたしはそのとき初めて自分が探偵事務所を訪問していることに気がついたのだった。
一瞬、その入り口を通ることをためらったけれど、ただのバイトだし、電話応対のマニュアルくらいあるだろう、と、意を決してその入り口の自動ドアの前に立ったのだ。
これまで、これほど緊張したことはない、と思うくらい緊張してきた。
そりゃそうですよね。
探偵なんて、どちらかといえば、マイナスイメージというか、闇とか裏の組織みたいなイメージを持ってしまってましたから。
あとは、テレビで見たことのある、浮気調査という、ちょっと好ましくないイメージ。
それを、独身のわたしなんかが、アルバイトしても支障はないのかな?変な人に恨みを買って、事務所を襲撃されるとか?
妄想はとどまることを知らない。
と、同時に、なんだか自分が探偵さんとかかわるなんて、ちょっと格好良くない?っていう、計算もなくはなかったのだ。 |